2007年12月13日

母の霊夢?

 
 先日の朝、母が寝ぼけまなこで、ボヘボヘと台所に入って来た。
 私の横に座り、トーストを噛り付きながら、
 「私なぁ今日すごい夢をみたんや。ハッキリと覚えてるんよ。アンタに聞かしたろうと思ってな」

 「何やの?また美川憲一とデートした夢かいな?」
 「ちやう、ちゃう。そんなんとはまた違うんや。とにかくまぁビックリしたわ!」

 と、インスタントコーヒーをすすった。

 母の事だから、恐らく・・・
 でも、頬つえを着いてその凄いというお話を、拝聴させて頂くことにした。
 「はい。それで・・・?」


 


 「あのな。空中を飛ぶ太さ60センチ位の黄金のヘビやねん。白ヘビとは違うんや」
 「それ、龍神さんと違うの?手足は付いてた?お顔もちょっと四角っぽなかった?」
 
 「ううん。絶対に龍とは違う。広い草原で、知らん人達と立って空を眺めていたら、黄金のヘビが地上3メーター位の高さの空中で、舞ながら飛んで来るんよ!

そしたら、みんな何故かバタバタ倒れて、今度は私の方へ向かってきたから、足元に落ちてた新聞紙を頭から被って、寝っころがって知ってるだけのお題目みたいなんを唱えたら助かったんや」

 「えぇ?お題目?何を言うたの?」
 「アンタがいつも言っている、南無妙法蓮華経。南無阿弥陀仏。それから、南無金剛。

ついでに悪しきを払って助けたまえ。天理教の命(みこと)かなぁ?後は今は覚えてないわ」

 「私そんな事、言うてないよ!うちは真言宗やから、南無妙法蓮華経。天理教も、南無阿弥陀仏も違うで。南無金剛って南無大師遍照金剛の間違いやで。

それに、お題目って言うのは言った事無いよ。ご真言ならあるけど・・・」
 
 「まぁ。兎に角たくさん必死で言うたから、中にチャンと合ってたのが有ったんやろ!多分」

 「多分」てか・・・? 母上さま、そんな問題ではありません。

 母のお題目とやらで、その黄金のヘビは、空高く舞い上がって行ったと言う。

 「それでな私、遂に悟ったんや・・・」
 「悟る?また、何をお悟りになったんですか?」
 「私にまともなお題目を教えて。

チャンと覚えやなアカンとそう悟ったんや。一休さんみたいな剃髪頭のお坊さんがその後、出てきて「お題目をお勉強しなさい」って言われたんや」
 
 母の眼から見ると、剃髪した男性の高僧はみんな、一休さんに見えるのだ。
 
 「だから、お題目と違うちゅーてんねん!ご真言やちゅーねん!」
 「解った、わかった。それ、教えて!短くて簡単で、ご利益有って、どこでも通用するやつな」

             そんな都合のいい話は無い!

 しかし、お寺のお庫裏さんでいながら、神仏には無関心で一切お手伝いをしてくれない母が言うのだから、ビックリだ。
 
 そのお坊さんは、きっとお大師さま(空海)だったと思いたい。
 そうだ!お大師さまは母を、回向しに来て下さったに違いない。

 「一番が不動真言と、光明真言、南無大師遍照金剛やなぁ。ノウマクサーマンダー バーザラダン・・・」
 
 「そんな長いややこしいのはええわ!もっと日本人向けのにしてよ」
 「あのな〜。やってるうちに覚えるよ。信者さんの高木のおばあちゃん、知ってるやろ?

87歳で全部、覚えはったんやで。もっと見習わなアカンわ」
 「嫌や。簡単なんがええ!」と、子供のようにダダをこねる。

 「そんな我がまま、ご利益ないわ・・・」
 「でもさぁ〜 その夢みて、宝くじを買いに行こうとは思わへんだん?」
 「それは、今回は思わんだなぁ。だから、これは「悟り」なんや!そう思わへん?」

 それは違うだろう・・・

 「何か考えて後で書いてあげるわ。珍しくお悟りになられたんやしな」
 「珍しいだけ、余計や!」

 「でも本堂にいつも、降りて来てくださる龍神さんは、黄金で太さ60センチ位の五本爪の龍神さんやで。

よく、三本爪と両方居らっしゃるけど、どう違うんですか?ってそのご住職に聞いたら、五本の方が格が高いって言っていたよ」
 
 「その龍神さん、降りてきたら今度、呼びに来て!」
 「そんなん無理やよ!僧侶は一度、壇に上がったら途中では降りられないからね」
 「なんや。つまらん!」

 お昼に近くの中国人の方が経営している、ラーメン屋さんに行った。
 
 ラーメンを待ちながら暇だったので、キョロキョロ店内を見回していた。

 全品300円と書かれたボードに、ストラップが陳列されていた。
 中国製かな〜と思い近づいた。どれもビーズので、キラキラ精巧に造られている。

 あれ!これ、黄金の五本爪の龍神さんや! しかもこれひとつしか無い!
 
 買うべし。買うべし!
 さっき母と話をしてたばっかりやん! なんと言う引き合わせか!?
 先に300円お支払いして、早速ハンドバックにつけさせて頂いた。

 思いっきり衝動買いだが、引き合わせと信じたかったのだ。
 帰って母に得意げに、見せびらかした。

 「へぇ〜ええなぁ。黄金ヘビは売ってなかったん?」
 「無かったよ。有ったら買うてくるがな」
 「でも、やっぱりいらんわ。何かヘビって気持ち悪いがな」
 「そしたら、可愛いのを金色の生地で造ってあげよかぁ?」

 「アンタに造ってもろたら、ヘビかドジョウかわけ解らんモンになるがな。余計に気持ち悪いがな」

 全く失礼な・・・さよでっか!お好きにどうぞ!

 
 
身代り不動梅香寺 住職 内山天佑
http://www.baikoji24.com/

 
posted by 天佑 at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/72541232
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック